離婚後に住民票を移してないとどうなる?家の売却や税金への影響とは
離婚後の手続きの中で、つい後回しにされがちな「住民票の移動」。
しかし、住民票を移していないことで起きるトラブルは意外と多く、不動産売却や税金、社会保障の面でも大きな影響を受ける可能性があります。
この記事では、離婚後に住民票を移していないことで生じるリスクや、家の売却・各種手続きへの影響をわかりやすく解説します。
離婚後の住民票、なぜ移すべき?

離婚が成立し、別居や転居をしていても「住民票はそのまま」という人は少なくありません。
しかし、住民票の情報はあらゆる行政サービスの基礎となるため、以下のような理由から早めの移動が必要です。
- 実際の居住地と一致していないと、郵便物・通知書類が届かない
- 税金や保険料などの課税・控除判断に影響
- 不動産売却や住宅ローン審査の際に、「所有者の所在不明」扱いされるケースも
特に不動産を所有している場合、「名義と住所の整合性」は極めて重要です。
住民票を移さないことで起こる不動産関連の問題
売却手続きに時間がかかる
家を売却する際には、所有者が「どこに住んでいるか」が重要な情報になります。
住民票が古いままだと、買主や仲介業者が本人確認に手間取り、売却手続きが遅れる原因になります。
また、共有名義の場合は、名義人全員の同意・署名・押印が必要になるため、一人でも連絡がつかないと売却自体が頓挫することも。
登記情報と住民票が一致しないリスク
法務局で登記簿を確認するとき、名義人の「住所」も記載されています。
住民票を移していないと、この登記情報と住民票の住所が一致せず、法的なやりとりに混乱が生じる可能性があります。
税金への影響とは?住民票がズレると損する可能性も
住宅ローン控除の継続に影響
離婚後も持ち家に住み続け、住宅ローン控除を受けたい場合、「その家に住んでいる」ことが前提条件になります。
住民票を移していないと、控除の対象外と判断されることがあるため注意が必要です。
固定資産税の通知が届かないことも
不動産を所有していると、毎年自治体から固定資産税の納付書が送付されます。
住民票を移していないと、納付書が届かずに未納扱いとなり、延滞金が発生する恐れもあります。
所得税や住民税の控除申請に不備が出る
扶養控除・医療費控除・離婚後のシングルマザー控除など、これらの税制優遇措置も、住民票が正確でないと「実態が証明できない」とされることがあり、適用されないリスクがあります。
子どもがいる場合の住民票の影響とは?
児童手当や医療費助成が受けられない可能性
児童手当や各種子育て支援制度は、「親と子どもの住民票が同一世帯」であることが前提。
親が別の住所に住民票を残したままだと、支給対象外とされることもあります。
学区や保育園の入園に支障が出る
学区の判断や保育園の入園基準も、住民票上の住所に基づいて決まります。
実際に居住している地域と住民票が異なると、通学や入園に不利になるケースもあります。
DVやストーカーなど特別な事情がある場合は?
DVやストーカー被害などで「転居先を知られたくない」という事情がある方は、以下の制度が利用できます:
- 住民票の閲覧制限申請(支援措置)
- ドメスティック・バイオレンス被害者支援制度
- 住民票コードの削除・非表示申請
このような状況にある方は、早めに自治体のDV相談窓口や専門家へ相談してください。
住民票を移すタイミングと手続き方法
移動のタイミング:新居に引っ越してから14日以内
住民基本台帳法により、転居したら14日以内に住民票の異動届を提出することが義務づけられています。
必要なもの:
- 本人確認書類(免許証・マイナンバーカードなど)
- 印鑑(自治体によっては不要)
- 転出証明書(他市区町村への引越しの場合)
マイナンバーカードがあれば、オンラインやコンビニでの手続きも可能です。
結論:住民票の移動は「早め」が鉄則!
住民票は単なる住所登録ではなく、あらゆる公的サービスの根幹に関わるものです。
離婚後の住まいや生活が変わったら、できるだけ早く住民票も正しい住所へ変更するようにしましょう。
放置すると、不動産の売却に支障が出たり、税金面で不利益を被ったり、子どもへの影響も考えられます。
「面倒だから…」と後回しにせず、今すぐ動いて、安心して新しい生活をスタートしましょう。
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